3.一宿一飯の恩はカラダで。

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 でも、あたし意外と学校は好き。勉強は嫌いだけど、そこにいる間は笑ってられるもん。  家にいると時々どうしようもない気持ちになるんだ。 「母さんに、怒られちゃうんだよ……」  あたしはため息混じりにつぶやく。  借金を抱えてから母さんからは少しずつ笑顔が消えて行った。  そりゃ当然だよね。他でもない父さんに裏切られたわけだし。  だけどね、最近はちょっとエスカレートしすぎじゃないかなあ。 「虐待か」 「なっ!?」  なんでわかっちゃうわけ?  あたしはパニクって、左肩を押さえる。だって、もうほとんど治りかけてたはずなのに。 「ベッドに運んだ時、火傷の痕が見えた。割と最近に出来たものだ。他にも、細かいアザや傷があったし」  見られてたなんて。
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