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そう、肩の火傷は母さんにコテを押し付けられて出来たものだ。彼女が髪を巻いてる時に、あたしが話しかけたのが気に障ったらしい。
一発ビンタをかまされ、倒れたところに熱いコテでじゅわっと。
「なぜ、抵抗しない」
「出来るわけないじゃない。あんなでも、たった一人の家族だもん」
はねのけることなんて簡単だ。
あたしは、母さんよりずっと力も強いしケンカのやり方も知ってる。
だけど。
「あたしが手をあげたら、母さんは母さんじゃなくなっちゃうよ」
だから、あたしが我慢すればいいだけの話。
高校を卒業するまでの辛抱だ。だってあたしは家を出て、寮つきのキャバクラで働くんだもの。
そしていつかは自分のためにマンションを買う。あたしだけの家を。
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