3.一宿一飯の恩はカラダで。

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 あたしの言葉に、ムサシはやれやれといった風に首を振る。 「お前は何もわかっていないな。被虐と加虐の関係は非常に奥深いものだ。最近巷に氾濫しているエセSM趣味のせいで卑俗な印象を持たれているが、そもそもは高尚な嗜好だったんだぞ」 「あーあー、何言ってんだかわかりませーん」  あたしは目をつぶってそう言った。手錠のせいで耳がふさげないのが残念だ。  よくわかんない言葉をずらずらと並べられたって、コイツが変態なことには変わりないし。 「そうか、お前頭悪いんだったな。わかるように噛み砕いてやらねばならないのか」 「……うるさい」  はいはい、どうせバカ高校の中でも落ちこぼれですよー、だ。  別にそんなのわからなくても、生きていけるからいいんだもん!
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