3.一宿一飯の恩はカラダで。

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「まあ、それはおいおいやっていくとして、と」  ムサシはあたしからゆっくりと体を離すと、ベッドを降りる。  そして、寝室を出て行った。  一体何を企んでるんだか。  あたしは体をもぞもぞと動かして、辺りを観察する。  リビングと同じ、黒を基調としたシックなインテリア。机には、液晶モニタとキーボード、マウス。その隣りの本棚には分厚い本がぎっしり。ここからじゃよく見えないけど、英語のタイトルも混じってるみたい。  アイツ、何やってる人なんだろう。  こんなに家賃の高そうなマンションに住んでるし、普通のサラリーマンっぽくないし。  お医者さん?  弁護士?  まさかやっぱりヤクザ?  あたしの中で想像と妄想が膨らんでゆく。
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