デルタ地帯

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………… 「にひひー。天ちゃん、お帰りー……!」 「やっと、出てきたの?…ちょっと寂しかったじゃない…!」 逃走経路を確保出来なかった俺は、遂に自首を試みた。 押し入れを塞いでいたつっかえ棒を取り除き、出られるようにする。 その瞬間、ドアは自動ドアのように勝手にスライドし、開いてくれた。 夢がずっと、戸越しにスタンバっていたらしい。 もの好きな奴め。 キラキラとこちらを見る目が眩しくて、そこに純粋さが現れていた。 対するキセラは、腕を組み、ぷんぷんとそっぽを向いていた。 素直じゃないが、可愛く見えてしまうのは世の常。 萌え文化は、キセラのような女の子がいたから発展したものだと、感じてしまう。 俗に言うツンデレだな。
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