殺し屋・四ノ宮 紅

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午前3時 某ビル 地下駐車場 ―チーン 人の気配が全く無い深夜の地下駐車場に、エレベーターの到着を告げる音が鳴り響く。 エレベーターから出て来たのは2人の男。 1人は肥満体で髪が薄くなった男。 葉巻を吸い、白い煙を立ち上らせている。 もう1人は少し長めの髪をオールバックにセットし、鋭い眼光で周囲を警戒している。 端からみても一般人ではない。 1つは規則正しく、 もう1つは重く張り付くような粘っこい足音。 どうやら前者は軍隊経験者らしい。 後者は見た目通り運動不足で、いわゆるメタボリックシンドローム。 そんな相反する足音が静かな駐車場内に響き渡っていた。
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