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とまぁ意気込んだのはいいが向こうは社会人だ。そう簡単に都合よく会えるわけがない
ズズズズッ
と俺はラーメンのスープをすすり次の策を考えた。この店、見た目はボロイが中々味はいい
「ごっそさん・・・」
「ん?坊主、今日はやけにテンションが低いじゃないか?」
この人は通称おやっさん。この店の店主で今みたいに客への気配りを忘れないナイスガイだ。こういう人がいる店なので常連も結構いる。俺はそのうちの一人ってわけだ
「いや、まぁ・・・色々あったのさ。おやっさん、お勘定・・・」
「はははっ。若いうちはそうやって悩むのが一番!・・・えーと、塩ラーメン650円だな」
「はいはい・・・」
あれ?
俺は代金を支払うべくポケットを探ったのだが・・・ない。財布がないぃ!!
俺は必死で財布を求めて体中を探す
「まさかお前・・・」
やばい!
おやっさんは普段優しいが怒らすとマジで恐い
「ごめん・・・財布忘れ・・・」
俺が正直に話そうとしたときだった
ガラッ
ラーメン屋の戸が開いた
「慎一!やっぱりここにいたか」
いいタイミングだ・・・
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