第8章

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「あの時に、少しだけど、気持ちが軽くなれた。 救われた気分だったよ。 だから優花ちゃんにまた会いたかったんだ」 和人は、立ち上がると私を見つめた。 「ありがとう。あの時のお礼をずっといいたかったんだ」 和人は優しく笑う。偽らない、本当の言葉に胸が熱くなる。 「君といると、本当に楽しくて、辛いのを忘れられたんだ。 だけど、優花ちゃんは契約だけの恋人だから、今まで気持ちを隠してた」 和人は、私の手を取る。 そしてその手の甲に唇を寄せた。 「でも、もう隠さない。君が好きだ」 風が吹き、私の心を揺さぶる。 本当に? 今のは本当? 思わず涙が溢れ出した。
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