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「あの時に、少しだけど、気持ちが軽くなれた。
救われた気分だったよ。
だから優花ちゃんにまた会いたかったんだ」
和人は、立ち上がると私を見つめた。
「ありがとう。あの時のお礼をずっといいたかったんだ」
和人は優しく笑う。偽らない、本当の言葉に胸が熱くなる。
「君といると、本当に楽しくて、辛いのを忘れられたんだ。
だけど、優花ちゃんは契約だけの恋人だから、今まで気持ちを隠してた」
和人は、私の手を取る。
そしてその手の甲に唇を寄せた。
「でも、もう隠さない。君が好きだ」
風が吹き、私の心を揺さぶる。
本当に?
今のは本当?
思わず涙が溢れ出した。
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