第8章

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信じられない。 今までの言葉が、すべて真実なんだ。 偽りなんかじゃなく、すべて私に向けられてた本当の言葉。 「初めは、ゆりの事があったから、言わずにおこうと思ったんだ。 ゆりを忘れられなくて君を好きになる事に罪悪感があった。 でも、もう堪えられない」 和人が、私を抱き締める。 ゆりさんの墓の前で。 「君を好きになりたいんだ。契約じゃない。本当の君を」 これは夢? きっと夢だ。 だって、こんな幸せな時間が、迎えられるなんて。 でも、胸に抱かれる暖かさは確かに本物。 伝えたい。 彼に真実を。 本当の私を。
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