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ブブブ…。
携帯のバイブが震える。
私は顔を上げた。
そういえば荷物を全部車に置いてきてた。持ってたのは携帯だけ。
もしかしたら、和人からかも知れない。
私はゆっくりと携帯を開いた。
着信は海斗だった。
通話ボタンを押す。
『もしもし、優花か?』
優しい声を聞くと、涙が出る。
「海斗…」
『連絡もらったから迎えに来た。もうすぐ着くから。今どこだ?』
連絡?
もしかしたら和人が?
私は辺りを見回す。丁度、住所がかかれた自販機が目に入った。
私はその住所を読む。
『オッケ、ナビで向かうから待ってろ。絶対動くなよ』
私は携帯を閉じたあと、自販機の横に座り込んだ。
もう、何も考えたくない。
何もしたくない。
脱力感が身体を襲った。
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