第9章

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しばらくして、エンジン音が聞こえた。 見慣れた車が止まり、中から海斗が出てくる。 「優花!」 名前を呼ばれた瞬間、私は心の糸が切れた。 駆け寄る海斗にしがみつく。 海斗がびっくりした様に後ろによろけかけた。 私は海斗の胸で嗚咽をあげる。 「優花…」 「だ、駄目なの、やっぱり、私は」 海斗がそっと肩に手をおく。 「和人さんを傷つけた。私、卑怯で弱虫だから」 「もう大丈夫だから泣くなよ。大丈夫だから」 海斗が私を抱き寄せる。 私が泣き止むまでずっと頭を優しく撫でてくれた。
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