46983人が本棚に入れています
本棚に追加
「理由を、聞いた?」
「いいや、和人さんは何にも言わなかったから。ただ迎えに来てくれって、それだけ。荷物だけは預かったよ」
海斗は、コーヒーを飲みながら言った。
「ま、和人さんの表情から大体予想出来たけどな。お前が振られたか、あいつを振ったか、どちらかだろう?」
「…ごめんね。海斗。私は契約違反だよ。本気の恋愛は禁止だったのに」
もう、『蝶の夢』にはいられない。
覚悟する私に、海斗は能天気な声で言った。
「まあ、仕事はしばらく休業だな。ママには今日の事は言ってないから安心しろ」
海斗はコーヒーを飲みほすと優しく笑いかける。
温かい優しさ。
私は素直にお礼を言った。
最初のコメントを投稿しよう!