第9章

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綺麗な砂浜が広がる海岸に車を止めた。 私達は砂浜に座る。海は夕闇が広がっていた。 しばらく黙ったまま海を眺める。 「あのさ」 海斗が口を開く。 「俺、あのホテルで和人さんに言ったんだ。本気じゃないなら、もう会わないでくれって」 「え」 私は聞き返す。 「和人さんが、奥さんを亡くなっても愛していたのを知ってたからさ、お前との事もただの遊びだと思ってた」 それで海斗はしきりにやめさせようとしてたんだ。 あの時そんな事言われてたなんて。和人は一言も言わなかった。 「まさか、本気だったなんてな。 多分俺が和人さんに告白させるきっかけを与えたのかもしれない」 海斗は深く頭を下げた。 「ほんとにごめん」
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