第9章

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私は慌てて海斗を起こす。 「違うよ、海斗は悪くない。私を心配してくれてたんでしょ?私が傷つかない様に」 海斗は、私を見つめる。 「ありがとう、海斗」 私は深く礼をした。 海斗はいつでも私の事を考えてくれる。 変わるきっかけをくれたのも。 和人に会えたのも。皆海斗がいたからだ。 ほんとに、優しい人。 深く礼をする私の肩を抱き、上を向かせる。 「海斗?」 夕闇で、海斗は赤く染まっている。 「やっぱり、俺にしとけよ」 海斗は静かに呟いた。
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