第10章

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私は海斗に詰め寄ると怒鳴った。 「海斗!ひどいよ!いきなり殴るなんて!」 海斗の表情が変わる。 「…酷いのはどっちだよ!」 私はいきなりベッドに押し倒された。 上に海斗がのし掛かってくる。 「嫌!海斗やめて!」 海斗は私の首筋に激しく口づけてきた。 私は抵抗しようと、試みるが全く動かない。 海斗は、私の両手を押さえ込み、激しいキスで唇を塞ぐ。 いつもの海斗はどこにもいない。 怒ってる、海斗。 私のせいだ。 私が、思わせ振りな態度を取ってたから。 怒るのは当たり前だ。 これは、私の罪だ。 和人のかわりを海斗に求めた私の罪だ。 私の胸元に触れようとした海斗がふと手を止める。 「優花…」 私は、静かに泣いていた。 怖いからとか嫌だからとか、そんなんじゃない。 ただ、泣く事しか出来ずにいた。
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