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海斗は普段、メイクアップアーティストの仕事をしているが、ママにその腕を見込まれて、裏でこの仕事を始めた。
海斗も、しきりに普段の仕事よりもこっちの方が楽しいと漏らしていたっけ。
『だって、なにもない原石をさ、
俺の手でダイヤモンドにするんだぜ。
新鮮で勉強になる』
前に言った海斗の言葉を思い出す。
そう、言うなれば海斗は本当に魔法使い。
平凡なサナギを美しい蝶に変える魔法をしってる。
眼鏡は外し、コンタクトをはめる。
ゆっくりと海斗の細い指が私の頬に触れる。
下地。
ファンデーション。
チークにマスカラ
アイライン。
鏡の中で変わる自分にドキドキする。
それはまるで恋の様。
「こっち向けよ」
海斗が真剣な声で私に言った。
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