第11章

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着信が入る。 久しぶりにママからだ。 『優花ちゃん。和人さんが指名よ』 ついに来た。 私は胸が高鳴る。 私は会っても大丈夫だとママに言った。 ついでにママに報告する。 「ママ、私和人さんが好きなの」 『…知ってたわよ。薄々』 意外な言葉。 「ママ、じゃあどうして?」 『だって、優花ちゃん幸せそうに見えたから。大丈夫だと思ってた。いい恋を見つけたわね』 ママの優しい声が響く。 『ただ、違反は違反よ』 「わかってる。今日で最後」 私は受話器ごしに頷いた。 『優花ちゃん。幸せになりなさい』 ママの言葉に、私はありがとう、と答えた。
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