第11章

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私は自分の手に視線を落とした。 和人が私の手を掴んでいる。 「もう言うな。優花。 それ以上は言っては駄目だ」 私をゆっくりとなだめる様に手を握りしめる。 やがてその手をゆっくり離した。 和人が静かに起き上がる。 そして私の両親に頭を下げた。 「娘さんは悪くありません。すべて私の責任です。 …申し訳ありませんでした」 私は、茫然と和人を見た。 何故謝るの? 悪いのはあの人達なのに? 何故和人が謝らなきゃならないの? 悪いのは、全部私なのに。
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