第11章

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私はいたたまれなくなり、病室を飛び出した。 「優花!」 お母さんの叫び声が聞こえる。 病院の長い階段を降りると、一番下で座り込んだ。 涙が止まらない。 嗚咽を上げながら頭を伏せる。 どうして自分でもこんなに泣けるのかわからなかった。 階段を降りる音が聞こえ、海斗が降りてくる。 「優花」 私は顔を上げない。海斗はその横に座ると、私の身体を抱き寄せた。 「よく、頑張ったな」 一言。 たった一言の海斗の言葉に、私は激しく泣き出した。 海斗は、私の背中をあやす様に撫でる。 私は、涙が枯れるまでずっと泣き続けていた。
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