第12章

2/14
前へ
/204ページ
次へ
その夜は、海斗が用意してくれたホテルに泊まった。 お父さんは反対したけど、それを止めたのはお母さんだった。 「私達にそんな事を言う資格なんてないでしょう?」 二人はそのまま、家に帰ると言っていた。 あのあと二人でどんな話をしたのだろうか。 目覚めた私は、朝日が差し込む窓をぼんやりと見つめていた。 コンコン、と部屋がノックされる。 鍵を空けると海斗が顔を覗かせた。 「腹減ってない?」 そう言うと私の手にバスケットと水筒を乗せる。 「ママさんから。 優花に持ってけってさ」 私はバスケットを開く。 中には美味しそうなサンドイッチが入っていた。 一口食べてみる。 「美味しい」 私の声に、海斗は安心した表情を浮かべた。
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46983人が本棚に入れています
本棚に追加