第12章

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海斗に送られ、家に帰ると家は味噌汁の匂いがした。 リビングに入るとお母さんがエプロンを締め、こちらを振り向く。 「おかえり、優花」 優しい声。なんだかスッキリした顔をしている。 「お母さん、あの…」 「お母さんね、離婚するの」 味噌汁をかき混ぜながら背中越しにお母さんが言った。 「あの人は、もう駄目だから。 お母さんやっと分かったの。浮気相手とも別れたわ」 エプロンで手を拭きながら、お母さんが私を見る。 「優花、本当にごめんなさい。 お母さん、全然貴方の気持ちを解ってなかった」 お母さんは、私に深く頭を下げた。
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