第12章

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お母さんと向かい合わせに座り、 味噌汁に口をつける。 懐かしい味。 久々の団欒。 なんだか気持ちが穏やかになる。 昨日までのモヤモヤが嘘みたい。 お母さんは食べる私をじっと見つめ、やがて決意したかの様に声を出した。 「優花、あの人が好きなの?」 いきなりの質問に私は器を落としかける。 「あの、怪我をした人。好きなんでしょう?」 お母さんは怒ることもなく聞いてくる。 「私は…」 「いい人ね、あの人なら安心だわ。応援するわよ、お母さん」 お母さんがご飯を口に運びながら言う。 「あなたはちゃんと幸せになりなさい」 幸せに。 なれるだろうか。 和人にバレた嘘。 大人じゃないただの子供だと自分の口で言えなかった。 あんな醜態を見せられて、今頃呆れられてるかもな。 もう駄目かもしれない。 私は小さくため息をついた。
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