第2章

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「ほら」 海斗が私を立ち上がらせ、ハンガーにかかった服を手渡す。 黒い艶やかな生地の大人っぽいワンピース。 「着替えたら呼んでくれ」 海斗が部屋を出ると、私はそのワンピースに手をかけた。 少し胸元の開いたワンピースを着ると、鏡の前に立つ。 緩やかに巻かれた髪。 大きく強調された瞳。 濃いめのピンクに彩られた唇。 以前の自分とは違う自分に思わずため息が漏れる。 海斗を呼ぶと、再び入ってきた海斗は、私を立たせ、頭の先から爪先までぐるりと眺めた。 「よし、ガラスの靴だ」 手に持っていたやや高めのヒールを私に渡す。服と合わせた黒いヒールをはくと、海斗はにやりと笑った。 「完璧」 その言葉に、私も負けじと笑い返した。
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