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和人は煙草を携帯灰皿に納めると、こちらに歩いてきた。
私の目の前で止まる。
春菜が何かを察したように、女の子達を遠ざけた。
和人は、私をぐるりと眺める。
「制服」
「え?」
「制服、可愛いね」
私のタイを指で触れ、和人が呟く。
「なんで、ここが」
私の問いに和人は意地悪っぽく笑った。
「電話した。海斗くんに連絡先を聞いて君んちに。お母さんが教えてくれたよ」
「お母さんが」
「待ってる時は照れ臭かったけどね。女の子にジロジロ見られて」
それは当たり前だろう。
ここは女子高だし。
現に、春菜に止められつつも女の子達が気になるのか私達を眺めていた。
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