第13章

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私は和人の首に手を回し、しがみついた。 和人が目を見開く。 「私達、馬鹿みたい」 和人を抱きしめながら私は小さく笑う。 「本当に」 笑顔を浮かべながら和人は私の腰に手を回した。 二人でゆりさんの墓の前にたつ。 「ゆり、御免な。俺は、彼女ともう一度幸せになりたいんだ」 私もゆりさんの墓を見つめる。 ゆりさんは怒ってるだろうか? それとも「仕方ない人達」って苦笑いをしているのかもしれない。 ゆりさんを失望させない様に、私達はちゃんと幸せになろう。 だから、許してください。 私は心の中で静かに祈った。
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