第13章

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昔読んだシンデレラの絵本を思い出す。 王子さまは魔法にかけられる前の灰かぶり姫に会ってた。 そして、その姿に一目惚れをした。 魔法にかけられたシンデレラを好きになったのは、あのとき会った灰かぶり姫に似てたから。 だから、シンデレラが彼女だと知り、とても嬉しかったんだ。 真実の姿のシンデレラを愛していたから。 魔法が解けても、その想いは変わらない。 むしろ、魔法なんて始めから必要なかったのだから。 私はポケットの携帯ストラップを握りしめる。 ガラスの靴。 春菜がくれた恋のお守り。 ちゃんともらったよ、春菜。 私のガラスの靴を。
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