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えーっ、と後輩が声をあげる。
「和人さん、まだ気にしてんすか?もう奥さん亡くなって大分たつでしょ。
そろそろ新しい出会いも必要とおもうんすけど」
無神経な言葉が俺を逆撫でする。
俺は後輩をじろりと睨んだ。
「仕事しろ」
俺の苛々に気づいたのだろう。
後輩は焦りながら席に帰る。
俺は書類を確認しながら深いため息をはいた。
まだ、まだ半年だ。
半年しか経ってない。
忘れる事なんか出来るものか。
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