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仕事帰り、夜の街をふらふらと歩くのが俺の日課になっていた。
家には帰りたくない。
彼処にはまだゆりの思い出が残っている。
俺の思いやりのない行為が、ゆりを死なせてしまった。
あの時の絶望感を思い出す。
霊安室に納められたゆりの遺体。
身体は傷だらけなのに、その顔はとても綺麗で眠っている様だった。
今でも、その顔が胸を離れない。
そのたびに俺は苦しくなる。
辛い。
誰かに聞いてもらいたい。
この胸の内を。
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