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『蝶の夢』は飲み屋街から少し離れた所にあった。
俺は扉を恐る恐る開ける。
呼び鈴が軽やかな音を立てた。
「あら~?いらっしゃい~」
綺麗な女の人が近寄ってくる。いや男か。
腕を組もうとする女性を避け、俺は名刺を取り出した。
「この人に会いたいんですが」
「ああ、ママね。少し待ってくれる?」
俺をカウンターに案内し、女性が奥に消えた。
騒がしい店内。
時折聞こえるニューハーフ達の笑い。
「あら、貴方はこの前の」
音達の中に聞き覚えのある声が響く。
見ると、着物をきたあの女性が笑いながらたっていた。
「いらっしゃい」
女性…ママは俺に優しく微笑みかけた。
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