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指定された日の夜。
俺は指定した待ち合わせ場所で来るであろう彼女を待った。
2本目の煙草に火をつける。
ゆりは止めなさいと言ってたけど、どうしてもやめられずにいた。
煙草を吸いながら行き交う人々を見つめる。
どんな娘なんだろう。
ママは「おすすめよ」と受話器の向こうで笑ってた。
しかし、指定した日が近づくにつれ、俺は少し後悔していた。
多分今回だけだろうな。
俺は自分に言い聞かせながら、携帯の灰皿に煙草をねじ込んだ。
「あの、和人さんですか?」
灰皿をスーツポケットにいれた瞬間、可愛い声が後ろから響く。
この娘かな?
そう思い、俺は声がした方を振り向いた。
「は、はじめまして。優花です」
緊張した様に頭を下げる女の子。
それが俺と優花の出会いだった。
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