番外編

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「楽しく、ないですか?」 ナイフを置き、彼女が言う。 退屈させたかな? 俺は慌てて笑みを向けた。 「いや、楽しいよ」 優花は、そんな俺の顔を見て呟いた。 「辛いなら無理して笑わなくてもいいですよ、私は構いませんから」 ストレートな言葉に俺は思わず声をつまらせた。 見抜いている。 俺の気持ちを。俺の作り笑いを。 沈黙が二人の間を包む。 俺は何も言えずにいた。
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