第3章

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彼が煙草を消したすぐ後に、美味しそうな料理が運ばれて来た。 私達は時折話しながら料理に手をつける。 大抵和人の話が多い。 私は彼の話に合わせるだけ。 でも、もっと和人の話が聞きたい。 和人の話から、私に会わない間の彼の日常が分かって楽しいから。 だからついつい彼ばかり話させてしまう。 食事も終わり、デザートが運ばれてくると、和人は私の方にそれを押しやる。 「食べてよ」 和人は甘いものはかなり苦手らしい。いつも私にデザートを押し付ける。 「和人さん、私太っちゃいます」 「大丈夫大丈夫。優花ちゃんは細いから。 それに甘いもの食べてる優花ちゃん見るのが好きなんだ。可愛くて」 さらっと言われた。 好きとか、可愛いとか言われるとついつい期待してしまう自分がなんだか可笑しかった。
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