第3章

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車が夜の街を走る。 車のMDからは今流行りの女性歌手の曲。 こんな曲が好きなんだ。 「優花ちゃんさあ、好きな奴とかいるの?」 運転をしながらいきなり和人が聞いてくる。 貴方です。 それが言えたらどんなにいいか。 でも、私はあえて嘘をつく。 「いないんですよ。募集中です」 和人はふーん、と呟いたまま黙る。 「ねぇ、どうしてそんな事聞くの?」 思わず口にする。 和人は、前を見たままだ。 「いや、好きな奴とかいたらさ。こういう事、出来ないじゃない?だからちょっと聞いてみた」 思ってた返事とは違う答え。 「実は君が好きなんだ」なんて甘い言葉を期待してた。 ちょっとガッカリだった。
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