第3章

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「お仕事ですからね。それに恋愛してたらこの仕事、出来ないんですよ」 そうなの?と和人が聞き返す。 そうなのだ。 最初にこのお仕事をはじめる時、ママが言った。 「本当に恋人が出来たら、やめなさい。今度はその人のお姫様になるんだから」 そう言って釘をさされたっけ。 その事を言うと、和人は笑った。 「ああ、ママさんなら言いそう。 でもそうだよね。俺が優花ちゃんの彼氏なら気が気じゃないかも」 「え?」 「だって、自分以外の男達と、嘘とはいえ恋愛してたら耐えられないかな?特に優花ちゃんみたいに可愛ければさ」 「私今は、和人さんが指名してくれるから、他の人とは仕事して無いんですよ」 さりげなく言ってみる。 今は貴方だけだと。 「俺も、優花ちゃんが他の奴と同じことしてたら耐えられないかな~。 だからいつも優花ちゃんご指名してるんだ」 とても嬉しい事をさらりと言ってくれる。 もしかしたら、ただの社交辞令かもしれない。 でも嘘でもいい。 もっと、私だけだとその口で言って欲しいと思った。
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