第3章

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「あ、ほら着いた」 和人が車を止める。 そこは綺麗な公園。 中心には青い光を放つ観覧車。 「一度、連れてきたくてさ」 照れ臭そうに、和人は言った。 車を降りると、しばらく公園を歩く。 「観覧車。乗る?」 和人の言葉に、私は大きく頷いた。 係りの人にお金を渡し、先に乗った和人が手を出す。 私が手を重ねると観覧車の中に引き込んでくれた。 ゆっくりと観覧車が回る。 私は和人の向かい側に座ると、外を眺めた。 綺麗な夜景が地上を埋め尽くす。 「こういうの、好き?」 「うん、大好き」 本当はどこでもいい。どんな所でも。 彼と一緒なら。
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