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私は後ろを振りかえる。
地上に、綺麗なイルミネーションが見えた。
ピンクのハートマークがなんだか可愛い。
「和人さん、あれ見て」
私が言うと、和人は私の席に移動してそっと窓に手を置く。
「どれ?」
胸元が私の顔の前に来る。
私は和人の腕に囲まれる形になった。
抱きしめられるかと思った。
どきどきしながらも私はイルミネーションの場所を和人に教える。
「…本当に、可愛いな」
私を見下ろし笑う和人。
そしてそのまま見つめあう。
不意に額に当たる柔らかな感触。
和人が額にキスをした。
突然の事に、私は息がつまる。
私は下を向き震える声で言う。
「…駄目。ママに怒られちゃうから」
「だよね、ごめん」
和人は子供の様に笑った。
和人は横に座ると、私の肩を抱き窓を見つめる。
「なんか優花ちゃん可愛いから。本当にごめん」
和人は申し訳なさそうに言った。
「…いいです。今は貴方の恋人ですから。それに、契約内です」
私は気持ちを悟られない様に、平静を装うふりをした。
本当は平静なんかじゃないのに。
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