第4章

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「ただいま。」 ゆっくりと家の玄関を開けると、奥から母親が顔を覗かせる。 「遅かったのね。夕飯は?」 「コンビニで済ませた。遅れたのは今日テストがあったから」 靴を脱ぎながら私は母親に嘘をついた。 もう罪悪感なんか無くなってる。 「そう、 お母さん明日も仕事で遅くなるの。夕飯は自分で済ませてね」 「分かった。お風呂に入るよ」 私は言葉少なげに言うと、自分の部屋に入った。 ベッドに鞄を置き、そのまま倒れ込む。 あの幸せな時間とは対称的な嫌な家。 居間に父親の姿はなかった。 母の辛そうな表情が浮かぶ。 「…また、女のとこか」 いい加減離婚してしまえばいいのに、私の為だとなあなあになってる。 母が何も言わないのを良いことに、父は会社の女と毎晩の様に会っている。 仕事、仕事って嘘ばかり。 私は寝転んだまま天井を見上げた。
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