第4章

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薔薇の香りの入浴剤を入れ、私は静かに湯船につかる。 和人との逢瀬を思い浮かべると、冷めた気持ちが暖かくなる。 本当は、こんな家今すぐにでも飛び出したい。 でも、高校生の私に何が出来るだろう。 和人さんが私の事を好きだといってくれたら、いつでも家を出ていってやるのに。 私は鳥籠から抜け出したい鳥。 いつか、籠を開けてくれる人を待っている。 それが、和人さんなら良いのに。 私は叶わぬ期待に大きく溜め息をついた。
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