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部屋に帰り、ベッドに横になると猛烈な睡魔に襲われた。
私は、毛布の中に潜り込む。
身体を包むとなんか安心出来る気がするから。
その時、枕元の携帯が小さく震えた。
手に取り開くと、着信は海斗から。
「珍しいな」
通話ボタンを押し、話しかける。
「もしもし」
『よお』
ぶっきらぼうな返事が帰ってきた。
『あのさ、明日学校帰りにこっちこれねぇ?』
珍しい。仕事以外に呼ばれるなんて。
「なんでよ」
『いや、理由はあって話す。駄目か?』
私は少し考える。
「…あまり遅くならないならいいよ」
『大丈夫、そんなにかかんねぇから』
受話器の向こうでほっとしたような声。
「メイク道具いるの?」
『そだな、持ってきてくれ』
と言うことは、用があるのは、もう一人の私か。
「…わかった。行くよ」
『サンキュ。…お前大丈夫か?』
いきなりの心配に私はどきりとした。
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