第4章

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泣きじゃくりながら話す私を、しばらく黙ったまま聞いていた彼が不意に告げた。 「なあ、ちょっといいとこいかね?気分転換しに」 「…変なとこ?」 怪しむ様な私の返事に、彼はぷっと吹き出す。 「いくらなんでも女子高生に手ぇ出すほど飢えてねぇよ」 彼は立ち上がると、私に手を差し出した。 私は彼の手を握り立ち上がる。 「俺、海斗って言うんだ」 「私は、優花」 いい名前じゃん、と海斗は笑って言ってくれた。 そのまま人の中を歩き出す。 手を繋ぐ海斗の手はとても優しい。 私は涙を拭きながら後に続く。 やがて連れてこられたのは、 『蝶の夢』だったんだ。
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