第4章

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店の扉を開くと、明るい笑い声が響く。 綺麗な女の人が、お客たちにお酒を振る舞い、歓談していた。 「ここ、スナック?」 「うんにゃ、ニューハーフの店」 そういえば、綺麗な女の人以外に、明らかに女装の様な男の人もいる。 「あら~海斗。珍しいじゃない? こんな時間に店来るなんて」 ニューハーフのお姉さんが、海斗にすりよってくる。 海斗は慣れてるのか、表情も変えずお姉さんを見た。 「うん、今日はママに用事。ママは?」 お姉さんはちょっとまってね、と言い奥へ入る。 やがて、貫禄のある着物姿のママが現れた。 「何よ海斗、どしたの?」 「こいつ、雇えねぇか?」 海斗が私を前につき出す。 「え?えぇ?」 て、このお店に? ママはしばらく私をじろじろと眺めた後に、海斗をジロッと睨み付けた。
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