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そこは夢の世界だった。
様々な色の洋服。
綺麗なドレス。
可愛いパンプスやピンヒール。
私は目を輝かせながらそれを眺める。
「ほら、ここ。座れよ」
海斗がドレッサーの前に私を促した。
私は言われるまま椅子に座る。
海斗が、私の後ろに回ると頬に両指を添えた。
突然の事に胸の中が跳ねる。
「あ、あの」
「やっぱり、若いから肌がきめ細かいな。何かしてる?」
何かしてるったって。学校では素っぴんだし。化粧なんかしたことない。
「け、化粧水と乳液だけ」
「へえ、今時の女子高生にしちゃ珍しいな。メイクした事ないなんて」
海斗が私の肌質を確かめながら呟いた。
触れる指がくすぐったい。
「よし、チェック完了。優花、あの中でどれが着たい?」
海斗が沢山の服を指差した。
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