第4章

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そこは夢の世界だった。 様々な色の洋服。 綺麗なドレス。 可愛いパンプスやピンヒール。 私は目を輝かせながらそれを眺める。 「ほら、ここ。座れよ」 海斗がドレッサーの前に私を促した。 私は言われるまま椅子に座る。 海斗が、私の後ろに回ると頬に両指を添えた。 突然の事に胸の中が跳ねる。 「あ、あの」 「やっぱり、若いから肌がきめ細かいな。何かしてる?」 何かしてるったって。学校では素っぴんだし。化粧なんかしたことない。 「け、化粧水と乳液だけ」 「へえ、今時の女子高生にしちゃ珍しいな。メイクした事ないなんて」 海斗が私の肌質を確かめながら呟いた。 触れる指がくすぐったい。 「よし、チェック完了。優花、あの中でどれが着たい?」 海斗が沢山の服を指差した。
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