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ヘアメイクをされてる間、私は春菜がくれた携帯ストラップを指でいじっていた。
気付いた海斗が声をかける。
「なにそれ。そんなのつけてた?」
「友達がくれたの。恋愛のお守りだって」
ふうん、と海斗が言う。
「なあ、優花」
「なに?」
「好きな奴、いんの?」
突然の質問に、私は持っていた携帯を落とした。
海斗は、なにやってんだよ。と携帯を拾い私に手渡す。
「だって変な質問するんだもん。それに同じ事を和人さんに言われたから」
「…和人さんが?」
海斗の声が自然に低くなる。
「なあ、お前和人さんが好きなのか?」
突然確信に触れられ、私は心の中で焦る。
「な、なにいってるのよ、あの人はお客様なんだから」
それならいいけど。と海斗は言い髪を再びいじり始める。
「優花」
「何?」
「本気はやめとけよ。和人は特にだ」
「だから、好きなわけじゃないから。大丈夫だよ」
和人は特に?
本当に、あの人は、どんな理由があるのか。
海斗には何とかごまかしたけど、本当に気を付けなきゃ。
この想いは、知られてはいけないのだから。
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