第5章

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ヘアメイクをされてる間、私は春菜がくれた携帯ストラップを指でいじっていた。 気付いた海斗が声をかける。 「なにそれ。そんなのつけてた?」 「友達がくれたの。恋愛のお守りだって」 ふうん、と海斗が言う。 「なあ、優花」 「なに?」 「好きな奴、いんの?」 突然の質問に、私は持っていた携帯を落とした。 海斗は、なにやってんだよ。と携帯を拾い私に手渡す。 「だって変な質問するんだもん。それに同じ事を和人さんに言われたから」 「…和人さんが?」 海斗の声が自然に低くなる。 「なあ、お前和人さんが好きなのか?」 突然確信に触れられ、私は心の中で焦る。 「な、なにいってるのよ、あの人はお客様なんだから」 それならいいけど。と海斗は言い髪を再びいじり始める。 「優花」 「何?」 「本気はやめとけよ。和人は特にだ」 「だから、好きなわけじゃないから。大丈夫だよ」 和人は特に? 本当に、あの人は、どんな理由があるのか。 海斗には何とかごまかしたけど、本当に気を付けなきゃ。 この想いは、知られてはいけないのだから。
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