第5章

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栗色のウィッグは私の髪の様にぴったりはまってた。 いつもとは違うメイクをされ、全く別人の私がそこにいた。 「本当に凄いね。海斗。プロだよ」 私は改めて感心した。 「いや、本当にプロだから」 海斗がメイクセットを片付けながら笑って言った。 私達は店を出ると、撮影場所に向かう。 オフィスビルの立ち並ぶ中で、スチール板を持ったスタッフや、撮影準備をするスタッフが忙しく働いていた。 私は海斗に連れられて、カメラマンに挨拶する。 カメラマンは私を眺めると満足した様に頷いた。 「さすが、海斗くん。いい娘連れてくるじゃないか」 「ありがとうございます」 海斗が礼を言う。 「すぐ終わるし、あまり緊張せずにリラックスしよう」 カメラマンの言葉に、私ははい、と返事をした。
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