46983人が本棚に入れています
本棚に追加
栗色のウィッグは私の髪の様にぴったりはまってた。
いつもとは違うメイクをされ、全く別人の私がそこにいた。
「本当に凄いね。海斗。プロだよ」
私は改めて感心した。
「いや、本当にプロだから」
海斗がメイクセットを片付けながら笑って言った。
私達は店を出ると、撮影場所に向かう。
オフィスビルの立ち並ぶ中で、スチール板を持ったスタッフや、撮影準備をするスタッフが忙しく働いていた。
私は海斗に連れられて、カメラマンに挨拶する。
カメラマンは私を眺めると満足した様に頷いた。
「さすが、海斗くん。いい娘連れてくるじゃないか」
「ありがとうございます」
海斗が礼を言う。
「すぐ終わるし、あまり緊張せずにリラックスしよう」
カメラマンの言葉に、私ははい、と返事をした。
最初のコメントを投稿しよう!