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撮影用の洋服を着せられ、海斗にメイクを直してもらうと、私はカメラの前に立った。
「はい、目線こっちね」
カメラマンの言われるままポーズを取る。
最初は緊張していたけど、だんだんと慣れてきた。
カメラのフラッシュがたかれる。
「はい、オッケー。お疲れ様でした」
撮影が終わると、海斗が肩に自分のコートをかぶせる。
「ほい、コーヒー。俺もう少し仕事あるから待っててな」
海斗は再び撮影陣の中に入る。
私はその様子をぼんやり眺めていた。
すると、視線の隅に何かを見つけた。
そちらを見ると、見覚えのある姿。
「…あ」
そこには和人がいた。撮影に気づく様子はなく、目の前を通りすぎていく。
私はコーヒーとコートを置くと、なにも考えず後を追った。
初めて見るプライベートでの和人。
彼の事を沢山知りたかったから。
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