第5章

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海斗はしばらく黙りこくっていたが、やがて諦めるように深く息を吐く。 「大まかしか言わない。後は駄目。プライベートに関わる事は本人には深く詮索しない。守れるか?」 私は頷いた。 海斗は、片肘を付き私を見つめる。 「あれは、和人さんの奥さんのお姉さんだ」 奥さん。 襲撃が走る。 「奥さん、いたんだ」 「今はいないけどな」 水の氷をからからと回しながら海斗は続ける。 「亡くなったんだ。二年前に」 お待たせしました~、と能天気な声で店員が料理を運んでくる。 海斗が両手を軽く叩いた。 「はい、もう終わり。食べるぜ」 「え~~」 私は不平そうに海斗に訴える。 「契約違反。和人が自分から話すのを待つんだな」 海斗は、料理に手をつけながら私を戒めた。
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