第6章

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和人は、目を閉じたまま、私に何度も口付ける。 軽く、深く。 沢山降るキスの嵐。 深い口付けに身体が震える。 私が望んでた事。 触れてみたいと思っていた唇。 苦い煙草の味がする。 しばらく抵抗していた私も、やがて彼の口付けを受け入れ始めた。 やめようと思うけど、止まらない。 何度も触れる唇に、身体の芯が熱くなる。 やがて身体に回していた手が緩んだ。 彼の唇が離れる。 「…」 もう一度、彼はわからないうわごとを繰り返す。 私が顔を上げると、彼は私を抱き締めたまま深い寝息をたてていた。
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