第7章

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「ま、そうだよな。この状態じゃ」 良かった。ばれてない。 私は胸を撫で下ろした。 「早く帰れよ。ママも心配してたから。ちゃんと説明してな」 私は頷くと、ホテルを出た。 後に残った海斗は、じっと和人の顔を見つめた。 目を閉じる和人の口の端に残るピンクの口紅の跡。 海斗は、濡れたタオルで静かにそれを拭き取った。 「嘘じゃん」 優花の顔を思い出す。 あえて言わずにいたが、実は入った瞬間から気付いていた。 口紅の落ちた唇に。 「ちくしょう…」 海斗は椅子に座り込むと頭を抱えた。
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