第7章

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今日はややおとなしめな雰囲気だ。 淡い色のチュニックに細身のジーンズ。 髪は巻かれているけど、一つに結ばれ、耳許に流されている。 「今日は、動きやすそうな格好で来てくれってママに伝えてたんだと」 海斗が言う。 動きやすそうな格好? 一体何処にいくんだろ。 不思議がる私の背中を海斗が押す。 思わずつんのめりそうになり、私は海斗を睨んだ。 「早く、行けよ」 いつもなら笑顔で送り出す海斗は、まだ不機嫌そうだ。 「海斗、どうしたの?」 明らかに寝起きの悪さとは違うその態度に、私はやや苛々しながら問いかけた。
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