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今日はなんだかおかしい。
いつもならどんな状態でも真剣に取り組むのに。
「ねぇ、海斗」
覗きこもうとした私を、海斗がふいに抱き締めた。
抱き締めたまま、海斗が耳元で囁く。
「お前、和人さんとキスしたろ」
突然言われて私は動揺した。
「そ、そんな事っ」
「今回は黙っててやる。だけどこれだけは言っとくぞ」
私をきつく抱き締めたまま海斗が冷たく囁いた。
「本気になるな、絶対に」
私は海斗を思い切り突き飛ばす。
海斗は少しよろめくとこちらに視線を向けた。
「そんな事…
そんな事わかってる!
わかってるけど止められないんだもの!」
私は叫び、部屋を飛び出した。
途中でママに声をかけられたけど私は止まらなかった。
なんで、
なんで海斗にそんな事言われなきゃならないわけ?!
混乱する心を必死で静めながら私は走り続けた。
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